判例プラクティス憲法〔第3版〕（最新版）

憲法の判例を学習するための最適な1冊です。

知名度だと有斐閣の「判例百選」が有名ですが、判例百選は分冊なうえ解説も一貫性がなく（ほぼ1事件1執筆者でまとまりがない）、事実の引用も非常に雑で（知人の教授から聞いた話、紙面上、文字数制限があるらしいです。学者の先生のせいではないことを申し添えます。）、解説の質も玉石混交という、非常に扱いづらい本です。

判例を学習することは最高裁の論理を理解することにほかなりませんから、事案を正確に理解し、どの争点に対して最高裁がどのように考え、その射程はどこまでなのかを把握することが何より重要です。

本書は解説者がいずれも憲法学の第一線のレジェンド級の教授陣だけで、しかも分野ごとに担当しているため論理・解説が非常に明快です。

くわえて、各分野の冒頭に「判例の流れ」というまとめページがあるほか、1事件B5サイズ1ページで簡潔、重要事件はB5サイズ２ページ（本書見開き１ページ）を割いて手厚く解説、などメリハリも素晴らしいです。

各事件には「争点」が簡潔にまとめて書いており、学習が進んできた中級者（特に司法試験受験生・予備試験受験生）は、事件⇔争点、争点⇔判旨、といった相互を想起するトレーニングにより圧倒的な力を身につけることができるでしょう。

収録されている判例数も判例百選１・２の合計より多いです。

正直、判例百選をチョイスする理由がないのです。

近年の司法試験は、論文・短答ともに判例からの出題（正確な判旨の理解が不可欠な問題）がかなり多くなってきています。まちがっても憲法の短答で足切りにあうなんていうことのないように、しっかり勉強しましょう。

令和4年5月までの408件を解説した第3版（最新）です。

【執筆者紹介・担当一覧】（五十音順）

◇淺野 博宣 ／神戸ロー教授
◇尾形 健 ／学習院ロー教授
◇小島 慎司 ／東大ロー教授
◇宍戸 常寿 ／東大ロー教授
◇曽我部 真裕 ／京大ロー教授
◇中林 暁生 ／東北大ロー教授
◇山本 龍彦 ／慶應ロー教授


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書き込み無し
裁断済み
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定価: ￥ 4,730（税込）

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